成果が出ない営業は具体的な「4つの行動」で明日から変わる【時短ハック思考で成果を変える】

悩める営業

営業職は毎月売上や営業数字に追われています。私自身も営業として毎月目標を追い続けていました。

営業職をしていれば目標を達成できないと悩む人は多く、過去に営業の成果を出していた人が書いた書籍やセミナーなどに投資をして前向きに悩みを解決しようとしていると思います。ただ、その投資は無駄かもしれません。私自身、営業の悩みを解決するためにいろいろなことをしていきました。本を読む、セミナーに参加する、交流会に顔を出す、成果を出している人のマネをする…。振り返ってみると「意味のあったこと」「意味のなかったこと」が明確にわかりました。今まさに営業に悩んでいる人は参考にしてもらえればと思います。明日から行動できることをまとめました。

[この記事は約10分で読めます]

[ざっくり要約]
・成果の出ない営業は、成果が出ない「意味のないこと」をしている
・成果を出すには「意味のないことをやめて、意味のあることだけをする」
・成果を出している人の抽象的な意見は参考にならない。具体的な行動をすべき

対象になる記事の読者像と前提の状況

当時の私の状況

この記事は、新人や中途新入社員で売上目標を達成できないと悩む個人向けの記事です。

未達続きだった営業の私が、実際にやった「意味のないこと」「意味あること」をまとめています。営業における体系や戦略は専門書や専門の方の記事を参考にしてもらうのがいいと思います。

私の過去の経験をもとに、課題、解決するためにしたこと、選択した解決策、理由、結果を整理しました。

私自身は新卒で都内ベンチャーへ入社。配属は営業部。社員数30名ほどのまだまだ小さい会社であり、営業組織の風土や環境は整っていませんでした。

どれくらい整っていなかったのかといえば、

  • 売上達成のためのストーリーや考え方が上席によって違う
  • 数字管理はホワイトボードで「数字だけ」
  • 案件の温度感は各人の感覚
  • 案件管理は個人に依存
  • 過去案件の成功失敗事例のシェアは基本的にはない
  • 月末に達成か未達かのコミュニケーションで終わり

そんな組織です。

そんな中でも配属初月から売上目標を持っていました。ただ、目標数字に対する考え方として、「なんとなく達成はしなければな」くらいの感覚でした。大学卒業まで、営業もしたことなければ、受注経験もない新人が達成するための行動を起こせるわけはなく、約6ヶ月ほど未達が続きました。さすがに給与をもらっているのに未達続きは精神衛生上よくないので、なんとか改善をしていこうと試行錯誤をしていきました。

当時の私の課題

当時の課題

当時の状況を整理するとこんな感じです

  • ①新人で業界の知識がほとんどなし
  • ②成功体験(受注)はあるものの「たまたま受注」案件ばかり
  • ③行動が場当たり的で振り返りをしない
  • ④案件の温度間は「なんとなく」
  • ⑤童顔のためかなり若くみられる

(いま振り返ると相当ヤバいやつです…)

当時、客観的にこれらのことを理解していたかといわれれば[NO]です。

いま振り返るからまとめられるだけであり、いろんな試行錯誤をした結果、これらの課題を理解できるようになっています。試行錯誤で実行した行動は、ほとんどが意味ないものでした(あとでまとめてある通り、もちろん意味あるものもありました)。

多くの方々が通るであろう、この「意味のない試行錯誤」をしないために経験をシェアしていきます。

成果を出すためにしてしまった「意味のないこと」

成果を出すためにしてしまった「意味のないこと」

意味のないこと①/交流会や勉強会への参加

参加者の参加目的が「交流」「勉強」で終わるはずはなく、みんながなにか案件化できないか?と考えていることが多い気がします。個人事業主や立ち上げたばかりの会社が多い交流会ほど、そんな気がします。コストと時間を使っているので、その対価を求めるのは当たり前ですね。

私もやたらと参加していましたが、交流会や勉強会からの受注は全体の5%もありませんでした。

一見、要職の方やさまざまな企業が参加しているので成果につながりそうな気がしますが、それはただの妄想でした。実際は参加して繋がることが少なく、時間とコストがかかるだけで大きな成果になりませんでした。

意味のないこと②/直筆手紙やサンプルを郵送

高単価もしくはLTVが長い商材であればいいのかもしれません。ただ商品単価が〜100万などであればオススメはしません。

私自身、フルコミッションの営業をされている方の本や営業関連の本、個別のアドバイスなどから「なんだかんだ直筆手紙は見てもらえる」「サンプルを事前に見てもらっているので初回訪問の空気が良かった」なとなど甘い話を聞いていたため真似てやっていました。

結論、これも時間とコストがかかるだけで大きな成果に繋がりませんでした。そもそも手紙やサンプルを見たところで、実際にいいと思ってコンタクトがされるわけでもなく、確認していただき(確認してもらったかも不明)「ふーん(大変そうだね)」という感想で終了だと思います。

意味のないこと③/抽象的すぎる営業関連本

営業に関する書籍は山ほど出ています。いまAmazonで「営業」で検索するだけでも相当数の結果になると思います。

入社し成果が出なかった私は、営業の基礎、魔法のような営業、交渉の考え方など営業に関連しそうな本は読み続けていました。

書かれていることは概念や考え方、筆者の経験談が主であり、抽象的すぎて自分の具体課題である「いまこの自分にとって意味のあること」を解決するものはほとんどありませんでした。もちろん参考になることは書かれているので読んではいましたが、書籍から得られる営業の知識が直接短期的に成果にインパクトはしていませんでした。

結局は自分の状況と全く同じ悩みを持っており、その解決策が書かれていなかったので参考にならなかったのだと思います。

一方で、自分なりの営業のスタイルが確立し、営業スキルのステップアップをしていくタイミングだとこのような営業関連の本は参考になります。

意味のないこと④/自己啓発本やセミナー

営業の成果の出ていない私は目の前の課題が「営業目標の達成」にも関わらず、なぜか自己啓発系の書籍やセミナーにハマっていました。

これを読んで(聴いた)ことで課題の解決ができるのか?…当たり前にできないです。

直後は「なんかやる気が出てきた」感覚にはなるかもしれませんが、成果が出ないと投資する意味がありません。一時だけの安堵感のための投資としては割高なので、結局無駄金になります。

そのお金で別のことをした方が良かったと振り返ります。

意味のないこと⑤/業界特化メディアの購読(サブスクメディアの購読)

そもそもベースの知識がないのに、業界紙やメディアを購読しても「芯を食った」「自身の知識になる」情報がどれなのかもわかりません。

結局は、読んでいる自分に酔っているだけなので知識の基礎がないときに読むの意味がないです。

実際私は当時購読していた業界新聞は、思い出したときにくらいしか読んでいませんでしたし、サブスクメディアは読んでいて業務の成果に直結することはありませんでした。

自己満のための月額コストは本当意味がない浪費と同じです。

意味のないこと⑥/フォーマルな服への投資

人は見た目が9割と言われますが、過剰に反応して投資しすぎなくてもいいと思います。

営業なので見た目は大切ですが、清潔感があればいいので高いスーツやその他の装飾品にこだわっても自己満足に過ぎません。

正直対面であれば長くても60分であり、その時間内に「この営業が着ているスーツはいい」「シャツが、ネクタイが、時計が、タイピンが、カフスが〜」なんてほとんど見てないです。

スーツは数着、ネクタイは5本、シャツは5枚、コートは2着。これで十分です。

もっともいまはオンライシフトで尚更服飾への投資は減ってきているはずなので感覚的に「意味ないもの」とわかるかと思います。業界によってはカジュアルな服装でも問題ない雰囲気になっているので、仕事とプライベートの服の境目がなくなってきているような気もしており、いい時代だなと思っています。

意味のないもの⑦/フルカスタマイズの提案書作成

案件単価が低い(〜100万)商材において、各社個別のフルカスタマイズの提案書作成は時間のムダです。

知識が不足している中での提案書は、時間をかけたところで浅い知識のまとめになるだけで現場で滑る可能性があります。また提案書ほど時間が無限に使える作業はありません。やれどやれど細かいところが気になり、修正しの繰り返しで終わらない作業になります。

案件によりけりですが、低単価のものでの企画書制作は考え直した方がいいと思います。

もし作るのであれば、1つだけ作りこんだ提案書をフォーマットにして再活用をしてい行くのがいいと思います。

解決するためにやった「意味のあること」

解決するためにやった「意味のあること」

当時の課題を再掲します。それぞれを分類するとことようになります。

  • ①新人で業界の知識がほとんどなし
  • ②成功体験(受注)はあるものの「たまたま受注」案件ばかり
  • ③行動が場当たり的で振り返りをしない
  • ④案件の温度間は「なんとなく」
  • ⑤童顔のためかなり若くみられる

【知識不足】
①新人で業界の知識がほとんどなし

【振り返り不足】
②成功体験(受注)はあるものの「たまたま受注」案件ばかり
③行動が場当たり的で振り返りをしない

【基準不足】
④案件の温度間は「なんとなく」

【自信不足】
⑤童顔のためかなり若くみられる

それぞれの「不足」に対して私が実行し意味のあるものだと思ったことをまとめました。

意味のあること①/【知識不足】の改善方法

成果の出ている人の行動すべてをマネすることが知識不足の課題を解決させる1つの方法です。

営業の成果を出すための知識は
・営業の基礎知識
・業界知識
の2つに分けられます。

[営業の基礎知識]

営業の基礎知識は、百聞は一見にしかずであり、座学は机上の空論になりがちです。

まずは成果の出ている社内の人に聞くことがいいと思います。ただ、成果の出ている人の話を聞いて納得することはあまり意味のないこと。営業関連本や自己啓発系の本を読むと同じようなものだからです。

話を聞くだけではなく、行動すべてをマネをするべきです。ポイントは「すべてをマネする」こと。

成果が出ている人はなんの疑いもなく細かい改善改良をしており、些細な行動が実は大きな差になっていたりします。

実際に私の先輩は、情報収集だけでも普通の営業は会社HPや商品LPを見るだけで満足しますが、デキる営業は対面予定の人のキャリア、前職、前職の仕事内容などネットで検索できることはすべて調べていたりしていました。その情報から思考性や現場での自然なコミュニケーションにつなげており、同行した時に驚きました。

それまで私がやっていた準備は、その人からしたら「準備ではなく、調べる前の前提条件」でした。有益な行動に、少しの時間を毎日積み重ねていくことが目標達成のベースになるのだと思いました。

また別の視点で、成果につながりやすいものとして案件管理方法があります。成果を出しているひとの具体的な管理方法を教えてもらうだけでガラッと認識が変わったりします。できれば一案件でもいいので同行させてもらい、受注(もしくは失注)までの管理プロセスを同期していくのもオススメです。

これまではあくまで一例ですが、基本的には「できる人の全てをマネする」だけで成果が出やすくなり、結果的に営業の基礎知識がついてきます。

[業界知識]

業界知識についてはミクロ視点も必要ですが、マクロ視点のほうが大切です。実態や現場を理解してから、俯瞰するミクロ視点を入れることでより深い理解ができるからです。

では実態や現場を知りために簡単な方法はなんなのか?それは「社内の過去事例を暗記する」ことです。

あるコンサルファームでは入社タイミングで必ず事例の丸暗記をさせると聞いたことがあります。自社の過去の顧客事例は、つまりは自社に閉じた業界知識(マクロ視点)になります。

まずは自社顧客10社の事例を丸暗記することで自社を取り巻く業界の環境がわかるようになると思います。

ここで言う、事例の丸暗記というのは

・受注商材
・受注に至るまでのプロセス
・顧客情報(事業内容や顧客層など)
・当時の顧客が抱えていた課題
・課題を解決するために提示した解決策
・提案する上で土台に上がった解決策
・提案をした解決策にした理由

などの受注する前の社内情報までを指しています。

これを10社、20社、50社と自分の中に蓄積することではじめての営業先でもなんとなく過去の事例の組み合わせで課題解決策や案が出てくるようになります。

自社に閉じたマクロ視点を溜めていくと、自然とミクロ視点の一般的な業界知識に興味が出てきます。現場のリアルな状況を理解しているので一般的な業界情報に触れることで、より深い業界知識になります。

まずは社内の過去事例を丸暗記し、興味が湧いてきたら一般的な業界知識を仕入れる。この順序を間違えないようにするのがポイントです。

※一般的な業界知識を仕入れるためには「ビジネスリテラシーを高めるためにすべき「利益を考えない」株式投資」がオススメ

意味のあること②/【振り返り不足】の改善方法

安定的な成果につながらないのは、
・成果につながるアクションをしていない
・そもそも成果につながるアクションを知らない
のどちらかです。

そしていま、この記事を読んでいる営業の成果に悩んでいる人の大多数は後者の「そもそも成果につながるアクションを知らない」だと思います。では何をすれば成果につながるのか?

答えは簡単で「成果が出ないことはしない」だけです。

どの会社でも成果を出している人はいます。この問いに対してただ一つの答えはないと思っています。正直、会社やサービス・商材によって変わってくるからです。ですので、考え方を変えて、「何をすれば成果につながるのか」ではなく「成果が出ないことはしない」とすることで見えてくるものがあります。

冒頭私の経験談から紹介した「意味のないこと」はまさに「成果が出ないこと」でした。

私がたくさんの施策をしていく中で、なぜ成果が出ないとわかったのかは明確です。きちんと、やった施策の振り返りをしたからです。

受注をしたならば、
・なぜ受注できたのか?
・繰り返し受注に繋げるために何が必要なのか?
・具体的に何をすればいいのか?

場当たり的行動をした後、
・行動した目的は?
・その目的は達成したのか?
・達成したならどのように続けるべきか?
・未達成ならば、なぜ未達だったのか?

このような振り返りを、行動ごとに続けていけば、数ヶ月後には「無駄な行動はしていない」という状況になります。。無駄な動きがなくなるので、結果的に成果が出やすくなっていきます。

行動をすることはとてもいいのですが、振り返りをセットでしないと無駄なことばかりをしてしまうので注意が必要です。

意味のあること③/【基準不足】の改善方法

物事の判断をするときには必ず「客観的な基準」を作っておくべきです。誰が聞いても納得できる基準を作っておくことで、決断や判断をするときに迷いがなくなります。

いわゆるKPIやKGIとも言われたりしますが、ここではもう少し広い意味合いで基準としておきます。

営業では必ず案件管理をすると思います。この案件ごとのステータスをしっかりとした基準を作ることで当月や翌月の達成未達がリアルな感覚を持てるようになります。

参考になるのが、過去の成果を出している人が作ったフレームワーク(基準)で、BANT条件というものです。

Budget,Authority,Needs,Timeframeの頭文字をとった略語です。それぞれが「予算」「決裁権」「ニーズ」「導入時期」という意味があり、これをヒアリングで網羅することで見えて案件の温度感を測れるというものです。

このようなフレームワークを使いながら、自社特有の「知っておかなければならないこと」を加えていき、どこかが抜けたら温度感が「中度」「低度」と設定します。

私が走り出しの営業だったときは客観的な明確な基準を作っておらず、現場の雰囲気や先方が発した言葉だけで温度感を決めていました。ふわふわした基準なので、案の定精度はボロボロでなんの参考にもならない基準でした。もちろん営業成果も出なかったです。

しっかりとした客観的な基準をつくり、すべての案件を整理すると導入検討時期から逆算した動き方ができてきます。あとはそれをカレンダーに落としていけば月毎に温度感の高い低い案件が見える化されます。

また明確な基準作っておけば、上席から目標の進捗を聞かれたとしても「感覚での報告」ではなくなるので「未達続きで気まずいから、なんとなく達成できそうと伝えよう」という思考がなくなるはずです。

明確な基準があるので、未達になる理由がクリアになります。なぜ未達なのかがセットで報告ができるため上席への報告もそれをもとに話すため説得力があります(もちろん少しは後ろめたい気持ちはあると思いますが)。

まずは客観的にも信頼できる判断基準を作ってみてください。そうすれば迷いや悩みは減ると思います。

意味のあること④/【自信不足】の解決方法

知識のない新人や中途入社でまた慣れない環境だとどうしても自信がなくなり、本来の成果を出すための動きも鈍くなっていったりします。

私は年齢のわりに童顔であり、いつでも新卒だと思われることに変な劣等感を持っていました。少しでも老けて見えるよう、身につけるものや髪型などを工夫して気にしていた時期がありました。

結論、これは意味のない行動でした。

初対面でたどたどしい新人がくれば、相手方は変な構え方をします(新人で大丈夫か?と)。

この状況において、身に付けているものがしっかりしている、見た目がどっしりしていることは重要でしょうか?本質的には「たどたどしさ」が原因であり、それさえなければ現場は廻ります。新人だろうとしっかりとした営業であれば年齢は関係なく話を聞いてくれます。

自信がないのは知識不足が原因です。知識さえちゃんと持っていればなんの心配もなく営業が進みます。

まずは見た目よりも中身(知識)です。

4つの「意味のあること」まとめ

営業目標をそこそこ達成していくための意味のあることをまとめると

① 社内の過去事例を丸暗記し、業界知識を溜めていく
② 行動ごとの振り返りをして「無駄な行動をしない」癖をつける
③ 客観的に信頼できる判断基準を作って自分だけでなく他人も納得できるようにする
④ 自信がないのは知識がないから。見た目よりも中身(知識)を高めていく

意味のないこととをやめて、意味のあることだけした結果

意味のないこととをやめて、意味のあることだけした結果

私はこのような一連の試行錯誤を1年ほど続けていました。なんとなくやっていたことのほとんどは成果に対して意味のない行動ばかりでした。結果、半年以上の未達経験をしています。

ただ、意味のないことをやめ、意味のあったこと4つだけを意識するようになってからは変わりました。年12か月のうち10ヶ月は達成できるようになっていました(年間売上は達成)。

いま目の前で「売上が上がらない」「どうしたらいいのか」を考えているのであれば、私の過去の経験を参考にしてもらうのがいいかなと思います。

少なくとも、ある都内のベンチャーで営業をしていた男性が一年をかけて試行錯誤した結果のアウトプットなので。

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