【振り返り】2021年に資金調達したスタートアップ約400社の主なトレンドテーマは何だったのか?【独自分析】

スタートアップ資金調達まとめ

おはにちばんわ。管理人です。

2021年に資金調達をした企業は410社になりました。※1,2

どのようなテーマが多かったのかを、客観的なデータと個人的な所感でまとめてみました。ニーズがあればシリーズごとにも見ていきたいと思っています。

客観的なデータは簡単にテキストマイニングができる「User Local AIテキストマイニング」を使いました。使用の際にノイズを省くために、開発、運営、企画、‥‥などの文言を削除してテキストマイニングをしました。

個人的な所感は、なんとなく日々一覧表にまとめている中で感じたことをポイントを整理してました。

1 2021年12月20日次点
※2 あくまでプレスリリース情報をベースにしているので参考程度に見て頂ければと思います。プレスリリースに投資ラウンドの明記のない企業が含めていません。

客観的なデータから事業トレンドテーマ分析

AIテキストマイニングからみる2021年スタートアップの主な事業トレンドテーマ

User Local AIテキストマイニング」を使い、2021年に資金調達をしたスタートアップの事業内容をテキストマイニングした結果です。

関連度合いに独自ロジックで振られるスコア順にすると以下がテーマTOP10になりました。

No.主なトレンドテーマ
1プラットフォーム
2saas
3サービス
4dx
5ai
6ソリューション
7カーボンオフセット
8製造
9iot
10販売

ここ数年、どこでも聞きなれているテーマが今年も上位になっていました。コロナ禍になり民間企業だけでなく、行政やその他に広がっている「DX」が伸びてきた感じでしょうか?

大型資金調達をした10社の事業トレンドテーマ

では趣を変えて、実際に大型の資金調達をしたTOP10の企業の事業内容をみてみます。

Spiber株式会社
調達額:344億円
事業内容:人工のクモ糸の製造

スマートニュース株式会社
調達額:251億円
事業内容:ニュースアプリ「SmartNews」の運営

株式会社SmartHR
調達額:156億円
事業内容:SmartHR の企画・開発・運営・販売

株式会社TBM
調達額:135億円
事業内容:プラスチックや紙を代替する新素材LIMEXの開発

株式会社アストロスケールホールディングス
調達額:124億円
事業内容:宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去サービスの提供

キャディ株式会社
調達額:80.3億円
事業内容:製造業の受発注プラットフォーム「CADDi」の開発運営

EDGEMATRIX株式会社
調達額:67億円
事業内容:リアルタイムにAI処理するデバイス「Edge AI Box」などの提供

株式会社ネットスターズ
調達額:66億円
事業内容:QRコード決済ゲートウェイ「StarPay」の提供

株式会社HIKKY
調達額:65億円
事業内容:VR、AR、MR等XR関連事業

CBcloud株式会社
調達額:60億円
事業内容:”「送りたい」と「届けたい」を繋げる” プラットフォーム「PickGo」の提供、”物流を現場からスマートに”変革する物流DXシステム「SmaRyu」の提供

これらの企業の事業テーマを抽象化するとこんな感じでしょうか?

新素材開発、新素材製造、メディアプラットフォーム、SaaS、BtoB、宇宙、AI、FinTech、メタバース、DXプラットフォーム

”ありもののデータ”を抽象化してみました。どうでしたでしょうか?

次からは、管理人の独自印象まとめてです。

管理人の個人的視点からみる事業トレンドテーマ分析

事業トレンドテーマは3つ「古い産業DX、宇宙、メタバース」

ピーター・ティールの「ゼロ・トゥー・ワン」でこのようなことが書かれています。

どんなスタートアップも非常に小さな市場から始めるべきだ。

『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』著:ピーター・ティール

ビジネスグロースの要諦は「まだ競合が少ないニッチな領域」です。

競合が少なければ少ないほど、先行者利益が見込めるためです。先行者利益が見込められれば資金もついてきます。つまり調達も比較的うまくいく可能性があります。

調達がうまくいけば、速度という競争優位で市場を抑えにいくこともできます。まさに好循環。

ではニッチな領域はどこにあるのか?それが2021年の主なトレンドテーマになっている気がしました。

領域は3つで「古い産業DX、宇宙、メタバース」です。

古い産業DX

古い産業とは、これまでアナログなビジネス環境にあった産業のことです。

新素材のSpiber、紙文化人事DXのSmartHR、製造業DXのキャディ、医療ICTのアルムなどが象徴的な資金調達でした。

古い産業は、既にビジネスとしてまわっているため、産業における大きなペインを見つけることができれば「ニッチ独占」することができます。このテーマはこれからも「中の人」がいる限る作られ続ける領域だと思います。

宇宙

昨年末から徐々に注目を浴びている宇宙関連ビジネス。これは「ビジネス未踏の地」という余白のある領域にだれが先行者としていけるか?が注目されている理由かと。

インターネットがなかった時代にネットインフラを抑えた企業が、いまはなくてはならないインフラ企業になっているのと同じ。宇宙ビジネスのインフラをおさえることができれば、次世代のインフラ企業になれる可能性があります。

2022年以降は、宇宙ビジネスど真ん中の事業だけでなく、「宇宙ビジネス関連を支援するビジネス」もでてくる気がします。

ビジネスはすそ野が広がっていくのが常なので。

メタバース

2021年後半になって突如として発生したトレンドワードのメタバース(セカンドライフから同じかんがえはあったー、というようなことは置いておきます)。

メタバースが注目されているのは2つの理由があるからかと覆います。

1つ目は、コロナ禍を経験した全世界のビジネスパーソン+α(その家族など)が「デジタルに身を置くことが普通になった」ということ。

2つ目は、結局はビジネス視点で「更地にビジネスが作れる」というのがあるかと。

つまり、プラットフォームを持っていなかった事業者でも、独自のプラットフォームがつくることができるビジネス場所として再注目されたと感じた。

メタバース関連は、2022年にどこかのプラットフォーマーが総取りするのか?そうでもなく、色んな「土地」ができるのか?が気になる。

個人的には、いろんなプラットフォーマーが独自の世界をたくさん作ってくれたら面白いなと思ってます。

ある方のTweetで「メタバースはいろんなプラットフォームで、それぞれ違う自分が存在してもいい世界。つまりデジタルをつかった多様性」というようなことを発信されていて、なるほどと。その時々の感情や状況で、自分でプラットフォームが選べたら楽しそだなあと。

まとめ

客観的分析では、新素材開発、新素材製造、プラットフォーム、宇宙、AI、FinTech、メタバース、DXプラットフォームが主なトレンドテーマとして見えました。

主観的分析では、古い産業DX、宇宙、メタバースがなんとなくのトレンドテーマとして感じてます。

以上、簡単に今年の資金調達したスタートアップの主なトレンドテーマを整理してみました。


最後に、自戒も込めてスタートアップとしての心構えを、ピーター・ティールの著書から。

1  小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
2  出来の悪い計画でも、ないよりはいい
3  競争の激しい市場では収益が消失する
4  販売はプロダクトと同じくらい大切だ

『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』著:ピーター・ティール

ご意見・コメント・SNSのシェアしてもらえると嬉しいです!では、また。

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