結論からいうと、企業分析のやり方や方法に正解はありません。ただ、抑えるべきポイントや考え方の定石はあります。この記事では営業や就職活動、転職などで参考になる企業分析のやり方とポイントをまとめています。簡単な項目を整理したテンプレートシート(Excelでダウンロード可)も【無料】で配布しているので使ってみてください。
企業分析とは
事業やビジネスモデルを理解し「その会社は何なのか」を分析するもの。会社についての理解が深まれば、これからの展開や会社の成長性、課題などが見えてきたりします。
いろんな会社の企業分析をすることは仕事や営業でつかえるビジネススキルになります。広くさまざまな会社の事業を理解できれば新規事業立ち上げなどでも参考になります。
企業分析の目的
「会社を知る」ということが企業分析の目的になります。
営業や仕事で企業分析をする場合は「その会社を知ることで売上に繋げる」「新規事業立案の参考にする」などが目的になります。一方で、就職活動や転職で企業分析をする場合は「会社の理解を深めたい」「その会社は有望なのか知りたい」「入社していいのか阪大死体」などが目的になります。
企業分析にかかる時間
企業分析には一定の時間がかかります。企業分析は、表面的な会社概要を調べるだけでなく事業やビジネスモデル、強みや課題をいろんな資料やデータから「発見」しなければなりません。そのため、一定のまとまった時間は必要になります。
概略がわかるフォーマットへの記入やノートにまとめる程度なら30分~60分、ドキュメントにまとめるなら120分ほどが目安になるかと思います。
企業分析の方法
まず企業分析には「正解はない」という前提で考えてください。
企業分析する目的は人それぞれです。個々人で知りたい”深さ”も異なります。なので、正解に向けて作業をするのではなく、自分がなんとなく納得できる言語化に向けて分析してみてください。
企業分析は「会社を知る」ことが大きなゴールです。そのゴールに向けてのプロセスはなんでもいいのです。企業分析をした結果が間違っていても問題ありません。
繰り返しになりますが、企業分析は「会社を知る」ことであり、自分なりの解釈ができていればいいのです。
ただ、その導き出したものがどの程度合っているのかは気になると思います。そんな時は、営業現場や面接のときに、実際の「中の人」に素直に聞くことで確からしさが分かります。
「こんな風に考えているのですが合っていますか?(合っていないなら何が間違っていますか?)」。このようなことを聞くだけで実態がより鮮明にわかります。
そもそも、その会社の内情をしらないので間違っていて当たり前です(そのための企業分析です)。
話がそれました。実際の企業分析の方法ですが、以下3つの観点でみるといいでしょう。
・会社について
・創業者(代表)について
・事業について
この3点を抑えることで、企業の大枠が分かるようになります。専門的に財務やファイナンスなど細かく見ていくものいいですが、まずは全体感を知ることが大切です。
企業分析で最低限必要な項目(ポイント)
企業分析には3つの観点「会社について」「創業者(代表)について」「事業について」でみると企業の大枠がわかります。そのうえで、企業分析で必要最低限の項目を整理しました。
・会社概要
・沿革
・代表のキャリア
・事業内容(どんな事業をしているのか/なぜその事業をしているのか。創業事業や代表の過去キャリアに大体紐づいているはず)
・ビジネスモデルと類似企業
会社概要
会社のスペック情報は設立、代表者名、会社HP、採用ページ、従業員数、年収です。企業分析の基礎となる情報です。
沿革
設立から現在までの会社の歴史です。これを見ることで「コア事業」が分かります。とくに創業事業がその会社のコア事業になっていることが多いため会社HPやIRなどを参考にします。
代表のキャリア
創業者や代表の方の過去のキャリアです。前職は何をしていたのかなどのバックボーンをインタビューや略歴を調べます。
事業内容
サービスや事業内容を理解します。どのような事業を行っており、なぜその事業をしているのかを調べます。沿革で調べた創業事業や代表の過去のキャリアに紐づくことが多いです。または前職時代の「課題」「不満」を解消するためにサービスを作っていることもあります。
ビジネスモデル
その企業が行っている事業がわかれば、ビジネスモデルや類似企業(競合)もわかります。ビジネスモデルは難しく考える必要はなく「何を顧客に提供しているのか」に注視するだけで十分です。
類似企業
類似企業(競合)はサービスや顧客層が同じ企業です。世の中に類似企業(競合)がない企業はありません。「類似企業(競合)がない=マーケットがない」ためです。上場企業であれば類似株などを見るものいいかもしれません。未上場企業でもサービス比較サイトなどがあるので活用してみてください。
※サービス比較サイト例_ITトレンド、BOXIL SaaS等
※この記事(SaaSサービスを一覧まとめ【比較シートも公開中】)でもサービスをまとめているので参考にしてみてください。
以上の項目を整理できれば8割方の企業分析が終わっています。
この整理した情報を俯瞰して「会社の強み」「会社の課題」「この会社を一言で表すと」を考えれば企業分析は終わりです。
企業分析の具体的なやり方
企業分析の具体的なステップをまとめました。
企業分析は「会社を知る」ことが大きなゴールです。そのゴールに向けてのプロセスはなんでもいいのです。
このように前述しました。以下にまとめてあるステップもあくまで一例として見てください。それぞれでやりやすい方法や調べたい観点が出てくると思います。独自の企業分析方法を見つけてみてください。
上場企業の場合
・会社HPを見る
・会社概要を整理する
・IR資料を見る
・有価証券報告書、決算資料はマストで確認(有報や決算資料は、基本的に会社概要や従業員数、平均年収、事業の今後の打ち手、リスク等が書かれているため
・事業内容は「一言でいうと何をしているのか?」を意識して整理する
・代表のキャリアは個別検索でインタビューなどを確認(代表の思考や考え方だけでなく、過去のキャリアや「なぜこの事業を始めたのか」などに注目)
・類似企業(競合サービスや顧客が重なっている企業)を比較サイトや類似株などで調べる
・この会社の強み/課題を言語化する
未上場企業の場合
・会社HPを見る
・会社概要を整理する
・事業内容と提供サービスをみる
・顧客事例を見る
・サービスの価格を調べる
・採用ページを見る(新卒採用をしているのは一定利益が出てきている証拠。新卒は即戦力にならないが会社のDNAを広げるために必要なため)
・採用ページにある「事業」をみる(平易な言い方でビジネスモデルがかかれていたりする)
・代表名を検索し、過去のキャリアやインタビューを見る
・この会社の強み/課題を言語化する
企業分析に使えるテンプレートシート

会社の概要を整理するために使えるテンプレートシートを無料で配布します。以下リンクにとんでいただき、ファイル>コピーを制作で保存してください。
※フリーで配布していますが著作権は放棄していません